優待のタダ取りを狙うクロス取引
クロス取引とは
制度信用取引を利用する方法で
具体的には権利付最終日に現物株の購入と信用取引の新規売りを同時に行い権利確定後(翌日)に信用売り分の株を現物で購入した株で現渡しという方法で決済するやり方です。
用語が判り難いので補足説明を入れておきますね。
- 制度信用取引 証券取引所が公表している制度信用銘柄選定基準を満たした銘柄のみを対象としておこなわれる信用取引です。
- 現渡し信用取引で売りの発注を行った場合(俗に言う空売り)、後日同数の株を買い戻す必要が有ります。
この買い戻しを行わず現物の株で手当てすることを現渡しと言います。
制度信用取引を利用したクロス取引の落とし穴
制度信用取引を利用したクロス取引は売買手数料や信用取引の際かかる貸株料などわずかなコストで優待を獲得できますが
制度信用取引を利用するが故のリスクが有ります。
それは逆日歩(レンタル料)です。
逆日歩は制度信用取引を利用して売り注文が多くなり証券会社が所有している株を超えた場合証券会社は足りない分を手当てする必要が出てきます。
その際に高額な逆日歩が掛かってくる事が有ります。
しかも逆日歩は
取引時点ではいくらかかるか正確には判らないので大きなリスク要因となります。
運が悪いと数千円の優待を得るために10万円掛かってしまったなどの悲劇が生まれる可能性が有ります。
なので初心者のうちは制度信用取引を利用したクロス取引は行わない方が無難です。
初心者向けクロス取引の方法
では何がお勧めなのでしょうか?
それは一般信用取引を利用したクロス取引です。
一般信用のクロス取引をお勧めする2つの理由
・コストの透明性
一般信用取引で取引の場合かかるコストは信用売りの貸株料なので逆日歩と違い事前にコストを確認することが出来ます。
・制度信用取引が出来ない銘柄も取引可能
制度信用取引が出来る銘柄は証券取引所が指定している銘柄ですのでどの証券会社でも扱いことは出来ますが指定されている銘柄だけが取引可能となります。
一般信用取引の場合は上記以外の銘柄に関しても取引できるものが有るので獲得したい優待を得るチャンスが増えます。
用語が判り難いので補足説明を入れておきますね。
- 一般信用取引証券会社と投資家間の信用取引
一般信用クロス取引が可能な証券会社
じつはこの取引はすべての証券会社で可能なわけではなく4社のみが可能です。
代表的な会社はカブドットコム証券、松井証券ですのでこのどちらかに口座を開設する必要が有ります。
・実際の費用
管理人がカブドットコム証券を利用している関係からこちらの会社での費用を計算してみます。
カブドットコム証券の一般信用(売短®)貸株料は
3.9%(年率) 受渡日ベースで両端入れです。
具体的に計算してみますと
100万円分売り建てた場合(当日返済)
1,000,000円×3.9%÷365日×1日=106円(1日)
となりますので
一日分で106円です。
月曜日信用売り、火曜日返済の場合は受け渡しベースですので売りは木曜日受け渡し、返済は金曜日受け渡しとなり2日分の費用が掛かりますので合計302円掛かります。
ただ注意しないといけないのは日数は祝祭日を含みますと火曜日に信用売りをして水曜日に返済をした場合は売りの受け渡し日は木曜日で返済の受け渡し日が月曜日となりますので4日分の費用が掛かってしまいます。
ですので受け渡し日をよく確認してから取引を行うようにしましょう。
先の記事にあったような10万円以下の優待を考える場合は必要ありませんがもう少し金額の高い銘柄の優待を狙う場合は一般信用クロス取引を検討してみては如何でしょうか。
こちらの記事も参考にしてみてください。
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